マヌカハニーの効果を示す基準「MGO(メチルグリオキサール)」とは
- 基礎知識
- MGO, UMF, がん治療, アクティブマヌカハニー, ピロリ菌, メチルグリオキサール

マヌカハニーの効果を示す基準「MGO(メチルグリオキサール)」とは
マヌカハニーはニュージーランドの特産品ですが、世界的に有名になったのは近年になってからです。1800年代にニュージーランドでは養蜂が始まったものの、当時はまずくて人気がなく、1900年代になってからも、マヌカハニーは家畜のえさに混ぜて食べさせていたようです。
マヌカハニーの画期的な発見
マヌカハニーの抗菌性物質、メチルグリオキサールのことをMGOといいます。このMGOは、2008年にドレスデン工科大学の食物科学研究所所長の、トーマス・ヘレン教授が発見しました。
マヌカハニーを混ぜたエサを食べていた牛が病気にかからなかったため、その効力について研究を進めていったところ、マヌカハニーの成分に強い抗菌力を発見することができました。
マヌカに含まれる抗菌力のある成分の利用は、もともとニュージーランドの原住民のマオリ族が、マヌカの葉からとれるオイルを病気や怪我の治療に使っていたことに始まります。
マヌカの花からとれるハチミツに普通のハチミツと違う抗菌力、メチルグリオキサール(MGO)が発見され注目を浴びると、このメチルグリオキサールの副作用のない天然の抗菌力が、世界的にマヌカハニーブームを引き起こすきっかけとなりました。
マヌカハニーのMGOについて
トーマス・ヘレン教授が率いる研究チームが、世界中のハチミツのメチルグリオキサールの濃度を調べたところ、ニュージーランド産のマヌカハニーのMGO濃度が、突出して高いことが分かりました。
MGOとは、マヌカハニー1㎏に何mgのメチルグリオキサールが含まれているかを示していますが、普通のハチミツ1㎏あたり7mg平均だったのが、マヌカの花から採集されたハチミツは、1㎏あたり30mg~700mgものメチルグリオキサールが含まれています。
MGOは、10+、100+といった表示の数値が上がるほど抗菌力も上がり、お値段も高くなります。
MGOとともに表示されるUMFとはマヌカハニー1㎏あたりに含まれる抗菌効果を、抗菌溶液のフェノールの濃度に換算して数値を表したものです。UMF、10+と表示があれば、フェノール液10パーセントと同じくらいの抗酸化作用があるということです。
マヌカハニーとアクティブマヌカハニーの違い
マヌカハニーの中でもMGO値が高く、殺菌効果が強いハチミツはアクティブマヌカハニーと呼ばれ、医療に用いられます。この強力な殺菌力が、大腸菌、腸球菌、ピロリ菌などを抑制し、その他の感染症の治療に高い効果を上げています。
医療用として認められる値はMGOが250+、UMFが15+以上です。普通のマヌカハニーの効果が認められる数値は、MGOが100+、UMFが10+です。
日本人にマヌカハニーファンが多い理由
日本人にマヌカハニーファンが多いのは、日本人の約半分がピロリ菌の保持者であることにもよるようです。胃潰瘍患者の約9割がピロリ菌の感染者で、胃潰瘍は胃がんの前駆症状とも言われます。慢性の胃潰瘍は、早めにピロリ菌を退治しなければなりません。
通常、ピロリ菌の治療は抗生物質を続けて飲む方法がとられていますが、除去に失敗すると抗生物質に対する耐性菌ができて、余計に除去が難しくなります。
今のところ日本ではマヌカハニーでピロリ菌を退治したと言う結果は、医学的には証明されていないのですが、ニュージーランドでは医療用としてMGO値が高いマヌカハニーを用いて、さまざまな病気の治療がおこなわれています。
抗生物質で治療する前に、副作用のないマヌカハニーでピロリ菌を退治を試してみるのも一手かもしれません。
アクティブマヌカハニーのがん治療への期待
がん治療にメチルグリオキサール(MGO)が効果的と言われています。
UAE大学が発表したレポートによると、皮膚がん、直腸がん、乳がんの3種類のがん細胞の抑制にマヌカハニーの効果があったと報告されています。しかし、まだ試験管内での段階なので、少しでも早く人体での効果が得られたという研究報告を待ちたいものです。
MGOの高い殺菌効果はがんの発生リスクを上げるピロリ菌や大腸菌、黄色ブドウ球菌などの菌にも有効に働きかけることがわかっているので、毎日摂取することでがん予防になるようです。
MGOの抗菌力は感染症の予防や治療に効果があるとされているので、うまくいけば、がん細胞の増殖を抑えてくれるかもしれません。
しかし、当然のことながら、摂取すればするほど治療に効果があるわけではありません。摂取量によってはカロリー過多にもなりかねません。
最後に
MGO値の高いアクティブマヌカハニーは、医療面でもずい分期待されているのですが、今のところ、日本では薬ではありません。
ニュージーランドでは病院で薬として用いられていますが、そのニュージーランドで1日に小さじ1杯を3回4週間とり続けて治療をしたところ、全く健康被害は見れれなかったようですが、日本では臨床実験はなく、試すのはあくまでも自己責任です。
自分の体調に合わせて用いるようにしましょう。