はちみつは完全栄養食品?知っておきたい5つの秘密

はちみつは完全栄養食品?知っておきたい5つの秘密
古くはクレオパトラの時代から健康と美容に貢献してきたといわれるはちみつ。
最近の研究結果でも、次々にそのスゴイ栄養効果が明らかにされ、話題となっています。
でもはちみつって甘さ以外に何が入っているの?食べ過ぎたら太っちゃう?はちみつの糖分の内容や栄養成分について、くわしく見ながら解決していきましょう。
はちみつの糖分は砂糖と違う?
はちみつの甘さを自然でまろやかだと感じる人は多いでしょう。たくさんの成分が含まれていることもありますが、はちみつの主な糖質がブドウ糖と果糖であることもその理由のひとつ。
これらの糖は「単糖類」と呼ばれ、身体の中ではそれ以上分解される必要がなく、そのままのカタチでエネルギーに変わります。
砂糖は「二糖類」に分類されるショ糖でできています。これに比べると、はちみつは身体への負担が少なく吸収されるわけです。
カロリーの面でいうと、砂糖は100g当たり384kcal、はちみつは294kcalです。同じ量を使っても、砂糖よりは太りにくいといえるかもしれません。
しかし、エネルギーに変換しやすく、カロリーがやや控えめとはいえ糖質に違いはありません。食べ過ぎればやっぱり太ってしまいますので、ここは注意が必要ですね。
はちみつの糖質が身体に優しいというのはわかりましたが、その他の栄養素はどうなのでしょうか。
はちみつが完全食品といわれるわけ
はちみつには、27種類のミネラル、22種類のアミノ酸、80種類の酵素が含まれています。これだけ聞いても栄養素が凝縮していることに驚きますが、さらに身体の老化にかかわるポリフェノールも豊富です。
はちみつの栄養
糖 | グルコース・フルクトース・マルトース 他 |
---|---|
有機酸 | グルコン酸 |
酵素 | ジアスターゼ ・ホスファターゼ |
ビタミン | ビタミンC・ビタミンB1・ビタミン B2・ナイアシン |
ミネラル | ナトリウム・リン・鉄・カルシウム・カリウム・マグネシウム・銅・亜鉛・マンガン |
アミノ酸 | バリン・ロイシン・イソロイシン・アラニン・アルギニン・リジン・アスパラギン酸・グルタミン酸・プロリン・スレオニン・メチオニン・ヒスチジン・フェニルアラニン・チロシン・グリシン・セリン |
ポリフェノール | カフェ酸・p-クマル酸・フェルラ酸・ケンフェロール・クリシン・ケルセチン・p-ヒドロキシ安息香酸・バニリン酸・バニリン・シリングアルデヒド・ガランギン |
なぜこれほど、花から集めた蜜に栄養がつまっているのでしょう。それは、ミツバチたちの驚くような活躍があるからです。
1匹のミツバチがその生涯で集められる蜜は、ティースプーン1杯にも満たないといわれます。ミツバチは1度の飛行で500もの花をめぐり、身体の半分もの重さの蜜を持ちかえります。
花の蜜の糖分は砂糖と同じく、ショ糖です。巣に持ちかえられたその時点ではまだ濃厚なハチミツにはなっていません。
温度の高い巣の中で、働きバチは羽で風を作り出し、水分を飛ばしながらだ液の酵素と混ぜ合わせていきます。いわばハチが花の蜜をはちみつへと、加工しているようなものなのですね。
はちみつは、単なる花の蜜ではありません。ハチが集めてこそ完成する、驚異の食品です。はちみつの栄養効果は、滋養強壮や不眠解消、肌の美容などさまざまあります。
その中でも特に不思議なのが、とても菌に強いこと。はちみつにはなぜ強力な殺菌力があるのでしょうか。
はちみつの抗菌効果って何?
科学的な検証などない時代から、はちみつは抗菌作用や抗炎症作用が知られていたようです。傷口の手当にはちみつを使う方法は、いろいろな国で使われていました。
厚生労働省の日本薬局方では、はちみつは生薬として医薬品に分類されています。皮膚の荒れなどに有効で、患部に直接塗布するというような記載があります。
はちみつの抗菌作用のひとつの理由としてあげられるのが、グルコースオキシダーゼという成分です。これは、消毒薬のオキシフルと同じ過酸化水素を発生させます。
もうひとつは、はちみつの高い浸透圧によるもの。高濃度のはちみつが、菌などの細胞内から水分を奪い、生存できなくさせます。
はちみつの浸透圧と過酸化水素、この2つの効果によって、傷口などが化膿せずに回復できるとされています。
また、はちみつ入りの化粧品があるように、高い保湿効果も認められています。火傷などの場合には、殺菌・抗炎症効果とともに、この保湿成分によって傷口が守られ、治りの速さにつながります。
それでは、はちみつを定期的に食べることで、身体に変化は感じられるのでしょうか。
なぜはちみつで便秘が治るの?
はちみつでのどの痛みが取れたりするのは、わかりやすい変化ですが、意外に多いのが「便秘が改善した」という声です。
はちみつに含まれる便秘改善の理由としては、次のような成分があげられます。
- オリゴ糖
- グルコン酸
- トリプトファン
オリゴ糖は比較的よく耳にする成分ですが、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の排除に働きます。またグルコン酸は有機酸の一種ですが、オリゴ糖と同じく、善玉菌を活発化させて腸内環境を整えます。
トリプトファンは、直接腸に働くという成分ではありません。こちらはアミノ酸の一種で、脳内セロトニンの生成に関わっています。セロトニンが不足すると、腸ストレスの原因となり、便秘がおこりやすくなります。
人間の身体は、すべて連動してバランスをとります。はちみつを摂ることによって、すみずみまで活力が行き渡るのかもしれませんね。
セロトニンの働きが出てきましたが、はちみつを食べさせて育てると頭の良い子が育つという説があります。これは迷信なのでしょうか。
はちみつを食べると頭が良くなる?
はちみつを食べさせたからといって、急激に成績が上がるとは考えられませんが、このような説が出てくるのには根拠があります。
先に、はちみつの糖質はブドウ糖と果糖と話がありました。実は脳の栄養となるのは、ブドウ糖しかありません。
はちみつは分解の過程がなくても、直接ブドウ糖を吸収できる食品です。しかも、食べてから20分以内にはエネルギーとなって働くといわれます。
脳をたくさん使う仕事や、勉強の合間に、はちみつ入りのデザートや飲み物を摂るのはとても有効な手段。考えすぎて疲れたなと感じたら、はちみつを摂ることで脳がリフレッシュされます。
良く疲れたら甘いモノが良い、といわれますがその中でもはちみつはトップクラスの効果をもっているということなのですね。
まとめ
はちみつは、誰もが知っている甘い食品ですが、その内容を知ればびっくりすることだらけです。
小さなミツバチを思わず尊敬してしまいそうですよね。一方ではちみつは多くの栄養素が凝縮した食べ物ですが、もちろん万能ではありません。
生活の中でバランスよく活用することで、確実な健康成果が得られる食品なのです。